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CLAIRメールマガジン vol.250(2020年5月8日)=民間企業によるホームレス支援

2020年05月08日 

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【ロンドン事務所】民間企業によるホームレス支援
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Buses 4 Homelessプロジェクトは、使用されなくなったバスを利用してホーム
レスを支援する、2019年に立ち上げられた民間主導のプロジェクトです。このプ
ロジェクトはCommunity interest company(コミュニティ利益会社)として運営
されています。
このプロジェクトの発起人は、改装されたバスを使ってイベントを提供する会
社に勤めていましたが、社員の一人がホームレスになったことから、バスをホー
ムレスの生活の場として提供できないかと考えたことをきっかけに、このプロジ
ェクトが誕生しました。

CO2排出基準を満たさないなどのため使用できなくなった古いダブルデッカーバ
スを4台購入し、16台のベッドが配置された宿泊棟、利用者の食事を作るキッチン
棟、就職をサポートするためノートパソコン等を備えた学習棟、ヨガやセラピーな
どもできる健康棟にリノベーションしました。なお、バスの購入費は、このプロジ
ェクトを支援するStagecoachというバス会社の寄付で賄われました。
Buses 4 Homelessのバスは、North ActonにあるHS2(ハイスピード鉄道)の建設
現場近くに設置されており、各バスには建設現場から水や電気が無料で提供される
ようになっています。また、建設現場に設置されているシャワーやトイレ設備を
Buses 4 Homelessの利用者も使うことができます。
Stagecoach 、HS2建設会社のほかにも、このプロジェクトを様々な民間企業が
CSRの一環として支援しています。

自治体やその他の団体などホームレス問題に取り組む組織を通じて入居の応募が
あり、現在、16のベッドのうち8つが利用されています。Buses 4 Homelessの住民
はおおむね3か月間ここで生活し、その間にオンラインの就職訓練を受け、仕事や
住宅を探すことが想定されており、退去後も継続的にサポートが行われています。

ロンドン事務所 所長補佐 阿部

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