2018年10月11日,当事務所が実施している新任職員を対象とした実地研修の一環として、サザーク区(Southwark)を訪問し,日本の医療従事者を交えた認知症患者に対する地域支援をテーマとしたワークショップに参加しました。
高齢者を取り巻く医療・福祉支援のうち、とくに地域包括ケアシステムの在り方に重点を置き、兵庫県の事例と英国側での各セクターにおける事例が紹介されました。また、自治体職員として医療福祉分野として携わることなった場合の考え方・関わり方だけでなく、地域住民の一員として、また家族を支えていく立場として、高齢者支援の在り方を改めて考える機会となりました。
・Future of London- Ageing Cities
ロンドン市内の高齢者向け住宅、及び地域活性化を目的とした住宅政策について説明がありました。ロンドン市内の54%の住宅所有者が、2部屋の寝室かそれ以上の部屋数の家を所有しており、必要以上に大きな住宅で生活している場合が多い。その打開策としてロンドンのカムデン区では、Down-sizing という施策で高齢者によりコンパクトな家へ引っ越すよう奨励しています。また、retirement homeやsheltered housingと呼ばれる、高齢者向けのアフォーダブルハウスも開発されています。
・Work of UK’s Charities with people living with dementia
認知症をめぐるチャリティー団体としての取り組みの説明がありました。日本ではあまりなじみのないチャリティー団体が英国でどのような位置づけにあるかという基礎的な説明から、個別のチャリティー団体における活動事例についても紹介されました。日本と比較してより多くのボランティアと地域の企業によって支えられているという共通点はあるものの、英国内のチャリティー団体は圧倒的に登録団体数が多く(約165,000団体)、チャリティー団体を統括するチャリティー団体が存在するといった複雑な組織構造があることが相違点としてあげられました。