2020年10月27日,当事務所が実施している新任職員を対象とした実地研修の一環として、ウォルサムフォレスト区(London Borough of Waltham Forest)を訪問し,Mini Holland projectを視察しました。
Mini Holland projectは2013年に始まったスキームで、2021年までに自転車インフラを整備し、オランダ(Holland)のようなサイクルフレンドリーな街づくりを目指す取り組みです。ロンドンのエンフィールド区,キングストン区,ウォルサムフォレスト区がTfL(ロンドン交通局)の助成を受け(各区への助成はそれぞれ3000万ポンド(約41億円)),同プロジェクトに取り組んでいます。大気汚染の改善や、徒歩や自転車利用増による住民の健康の改善も目的とされています。
このプロジェクトにおける具体的な取り組みとして,
・自転車専用レーンの増設
・自動車交通量を削減し、住宅地の騒音の改善
・駅近隣に駐輪場を増設
・自転車スキルアップ教室や自転車メンテナンス教室など各種イベントの開催
などが行われています。
今回視察を行ったウォルサムフォレスト区では、住民の40%が自家用車を所有していないため、歩行者や自転車利用者が安全に街を移動できる環境を整備することは非常に重要な課題の一つになっています。プロジェクトの開始当初は自動車道を減らすことに反対する住民のデモもありましたが,これまでに29kmに及ぶ自転車専用レーンの設置や62の交差点を歩行者や自転車利用者に優しいように改善しています。