英国では2010年5月の総選挙で、1997年から13年間続いた労働党政権に代わり、保守党と自由民主党の連立政権が誕生した。新政権は、政権発足から間もない2010年8月、イングランドで自治体等の外部監査に責任を持っていた「監査委員会(Audit Commission)」を廃止するとの方針を明らかにした。監査委員会は中央政府に置かれた組織で、イングランドの自治体、国民医療サービス(National Health Service,
NHS)の組織、消防・救急組織等(以下「自治体等」という)に外部監査人を任命するなどの役割を担っていた。