英国は地方自治の母国とも呼ばれるが、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという歴史的・文化的にもそれぞれ違いを持つ4つの地域を抱え、その地方自治を支える制度も地域ごとに異なっている。また、イングランド一つを取ってみても、運営やガバナンスにおいて自治体ごとに議院内閣制的な仕組みを採るところもあれば、首長の直接公選制が採られるところもあるなど、複雑な様相を成している。
今回取り上げた「王室属領(Crown Dependencies)」は、中世以来、イングランド王の属領という特殊な位置付けのまま現在に至っている。最近では、その特異な存在や制度上の優位性を生かして金融業等で発展を見ているが、その自治制度は、一定の近代化はなされつつもその歴史を反映した特異な仕組みが今なお存続している。
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王室属領の行財政制度と国際業務 ~マン島とチャネル諸島の仕組み~