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CLAIRメールマガジン vol.156(2016年10月7日)= 旅を楽しもう

2016年10月07日 

【記事】ナショナル・ガーデン・スキーム
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英国でガーデニングが盛んなことはよく知られており、お城やナショナル・ト
ラストの庭園だけでなく、一般の個人の庭も公開されることを、ご存知の方も
いらっしゃると思います。

この個人の庭の公開は、ナショナル・ガーデン・スキームというチャリティに
基づくもので、毎年2月から10月頃にかけて行われています。3~5ポンド程
度の入場料で個人の庭を定めた日時に一般公開し、その売り上げは医療研究機
関や地元の基金など、オーナーの指定する基金に寄付されます。1927年にこの
スキームが立ちあげられて以来、個人庭園公開だけで400万ポンド以上の寄付
がなされているとのことです。

ロンドンの住宅の庭は玄関側にないことが多く、一旦玄関から家に入って裏口
に抜け、そちらにご自慢のお庭が広がっているという構造になっていることが
多いように感じます。今年2月、開始早々公開されたお庭に伺ったのですが、
そのお宅もやはり家の中を通り抜けてお庭を拝見するという構造でした。オー
ナーさんと少しお話をしましたが、チャリティのために親の代から60年近く毎
年お庭を公開しているとのことで、文化や風習によって慈善行為の表現は様々
ながら、見知らぬ人にも家や庭を公開できる英国の方の懐の深さを感じました。

調べてみると、看護師育成のための基金として19世紀半ばに立ちあげられたも
のが、1920年代にガーデニングが国民的に盛んだったことから、庭の公開によ
る基金、というスキームが取り入れられたとのことです。庭の個性だけでなく、
オーナーさんや運営のお手伝いをされている方々の慈善精神を改めて感じまし
た。

                   (ロンドン事務所所長補佐 濱田)

参考
< http://www.ngs.org.uk/what-we-do/how-much-we-give.aspx >
< http://www.ngs.org.uk/who-we-are/our-history.aspx >

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