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シンクタンクのセンター・フォー・シティーズ(Centre for Cities)が公的部門の雇用に対する過信を警告する報告書を出版

2009年07月17日 

主に都市の開発やガバナンスについて考察を行っているシンクタンク、センター・フォー・シティーズ(Centre for Cities)が、公的部門の雇用に対する過信を警告する報告書を出版した。
ここでは、主にスウォンジ(Swansea)やイプスウィッチ(Ipswich)のような多数の中都市を主に対象としているが、大都市であるニューカッスル(Newcastle)の影響も考慮されている。この報告書では、1998年から2007年の間に、120万の雇用が生まれたが、その内の69%が公的部門によるものだったと伝えている。これは都心部では今でも4つに1つの雇用が、公的部門によるものであることを意味している。比較的高い率の公的部門による雇用(例を挙げれば、スウォンジで38.5%、ヘースティングズで42.2%、イプスウィッチで32.8%)が、過去1年に渡って景気後退からこれらの街を救っている。地方の特殊法人同様、地方公共団体の出先機関も相当な雇用を生み出している。しかしながら、2011年からの公共支出の大幅な縮小を受けて、これらの都市が今後ひどく影響を受けるだろうとCentre for Citiesは警告し、次の3点を勧告している。
・イギリスの都市は、経済における公的部門の役割を再考する必要がある。イギリスの都市で公的部門が主な雇用者である限り、次の10年に渡って雇用を増やすことはできないだろう。
・イギリスの都市は、経済回復に向けて雇用成長を刺激したいと考えるなら、政府事務所の移転による雇用をあてにするよりはむしろ、民間部門において、低レベルから中レベルのスキルを必要とする雇用を支援する必要がある。
・政府は、経済が回復する間は注意深く、公的部門による人員削減を段階的に行わなければならない。また賃金凍結やフレックスタイムといった代替手段を考慮し、短期的な政府の賃金支払高を減少させるべきである。

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