人体に有害な内分泌かく乱物質などを含む農薬の禁止を欧州議会が提案したことで、英国の食品コストが著しく押し上げられそうだ。
英農薬安全局は12月に発表した報告書で新規制の影響を予測、調査対象となる物質の14〜23%が使えなくなる恐れがあるとした。農家側の試算によれば、これに伴いニンジンの収穫量が100%、穀物については20%減る可能性がある。タマネギ・ジャガイモ市場にも深刻な影響を及ぼし、競争力を阻害しかねないという。EUの農相理事会と対立していた欧州議会は12月17日に調整案で合意した。新たな規制は1991年に成立した現行制度に取って代わる見込みだ。ただ市場からの大規模な製品回収を避けるため、現時点で入手可能な農薬は既存の許可が失効するまで使用が認められる。
【出典】
Pesticide Safety Directorate Assessment Report:
http://www.pesticides.gov.uk/uploadedfiles/Web_Assets/PSD/Revised_Impact_Report_1_Dec_2008(final).pd