欧州委員会は11月、EU予算の見直しに伴う結束レポートを公表する。2011年1月にはEU加盟国向けに結束フォーラムを開催する予定だ。
2014年にはドイツのブランデンブルク州、ノルトライン・ウェストファーレン州、メクレンブルク・フォアポンメルン州、ケムニッツ、ドレスデン、テューリンゲン州、ザクセン・アンハルト州、英国のコーンウォール州・シリー諸島など、域内の20地域が結束基金をカットされる恐れがある。これは、同基金が1人当たり国内総生産(GDP)がEU平均の75%未満の地域を対象とするため。こうした地域にとっては、数十億ユーロ規模の支援を失うことを意味する。こうしたことから、該当地域は2014~2020年予算で移行制度を設けることを求めている。ただ金融危機により、もはや単純に移行制度を導入するというわけにはいかなくなった。代わりに、欧州委では資金配分において地域政策と分野政策のどちらかを重視すべきかで意見が割れている。地域の代弁者らは、突然の助成中止は現在進行中のプロジェクトを危機に陥れ、長期的な計画を立てることができないとして、強く反発。例えばザクセン・アンハルト州の場合、移行制度がないと資金の3分の2を失うことになる。移行資金があれば、経済的に遅れた地域の発展を維持することができるが、一方でこれら資金をどのような根拠で配分すべきかという問題も、11月の結束レポートで回答が待たれるところだ。
【出典】2013年以降のEU結束・地域政策に関する欧州議会決議
http://www.europarl.europa.eu/sides/getDoc.do?pubRef=-//EP//TEXT+TA+P7-TA-2010-0356+0+DOC+XML+V0//EN&language=EN