10月28日に欧州委員会は、オーストリア放送協会の財政状況に関する調査を終了した。
オーストリア政府が個別の法律の改正に合意し、国家補助に係る同協会の財政計画はEU規制を遵守しているという結論となった。欧州委員会のコミッショナーは、「オーストリア政府の合意内容は、高い質の公共サービスを提供しつつ、放送・通信分野における競争性を維持するという観点からバランスがとれた内容となっている。」と話している。これにより、5年間にわたって実施されてきた調査が終了した。
放送・通信省大臣のジョセフ・オスターメイヤーは、調査結果にとても満足しているとし、
・質の高い放送
・多様な公共放送
・高い透明性
・新しいサービスと受信料へのコントロール
と、欧州委員会から評価された点を繰り返しながらそれへの同意を表明した。また、欧州委員会との合意内容についても、1年以内にオーストリア国内で実施するとしている。
詳細な内容としては、同協会の新しいメディアサービスは、事前に審査されなければならないとされた。これを受けて、今後同協会から独立した放送・通信審査機関が設立される見通し。これによりオスターメイヤー大臣は、提供するサービスのコンセプトを明確にし、オーストリアのメディア業界における透明性を向上させたいとしている。
加えて、サービスの質を保証するための機関も設立される。この機関の設立は、オーストリア視聴者協会が中心となって行う予定で、同機関はオンラインのサービス、テレビチャンネルも含めた全てのサービスについて質の基準が遵守されているかを審査することとなる。
財政計画については、EUから特段の批判はなく、受信料は5年間は変動しないこと、またその額については放送協会会長からの提案を受けて視聴者協会が合意することなどがあげられている。
【出典】
オーストリア連邦政府ウェブサイト
http://www.austria.gv.at/site/6632/default.aspx#id37088