オーストリア政府は、これまでの移民政策を見直し、新たな移民受け入れ制度を導入した。新たな赤白赤カード(国旗にちなんでいる)の2011年7月の導入以後は、EU域外からの移民に関して、人数による制限は廃止され、特別な基準による制限が行われることとなる。
2010年12月9日に新しい制度について説明を行った内務大臣によれば、移民の職業に関連する資格を考慮していなかったこれまでの柔軟性のない人数制限システムは、基準に基づく移民受け入れ制度へと改正される。
赤白赤カードには、ポイントシステムが適用される。この赤白赤カード保持者は、オーストリアでの居住権と労働市場へのアクセス権を持つこととなる。一定のポイントを取得するために満たさなければならない基準は、職業資格、教育、言語能力等である。これらの基準が満たされれば、移民としてオーストリア国内に居住し、職を得ることができる。過去の人数制限による移民制度は適用されないこととなり、オーストリアの居住に係る制度全体は、この新しい規則に従って再構築される。3つのグループがこの赤白赤カードを申請することができる。まず、高度熟練労働者(医師やIT技術を持つ者)、労働力が不足している分野における熟練労働者(看護士、スズ細工職人、労働力が不足しているかどうかについては、労働需要に応じて個別に判断される)、また国内の労働力で補充することのできない高度熟練労働者がこの3つのグループである。
加えて、「赤白赤カードプラス」も導入される。このカードは、労働市場へのアクセス及び永住権を保障し、移民者の家族に対して交付される。加えて、過去に赤白赤カードや又はEU青カードを保持していた者に対しても交付される。
オーストリアへ移住する高度熟練労働者に対しては、オーストリア入国前にはドイツ語の知識は求められない。一方、その家族に対しては異なる規制が当てはめられることとなり、上記3グループのうちの1つ目の家族はドイツ語の能力を問われないが、2つ目及び3つ目のグループの家族に対しては、最低限、基本的なドイツ語の能力が求められる。
【出典】オーストリア内務省ウェブサイト
http://www.austria.gv.at/site/6892/default.aspx#id41873