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CLAIRメールマガジンvol.208(2018年7月13日)=ヨーロッパ最大の鉄道工事計画がついに完成~エリザベスライン~

2018年07月19日 

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【ロンドン事務所】ヨーロッパ最大の鉄道工事計画がついに完成
~エリザベスライン~
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クロスレールプロジェクトとして知られていたヨーロッパ最大の鉄道工事が完
成し、エリザベスラインが2018年12月に一部区間を除きオープンする予定とな
りました。全長21キロメートルの2連のトンネルを都市の地下に完成させ、そ
の投資額は約150億ポンドにも及びます。TfL(Transport for London)※1によ
れば、2001年にクロスレール社とTfL、運輸省が連携し、工事計画がスタート
しました。これまでは通称でクロスレールと呼ばれていましたが、2016年2月
に、エリザベス女王が自らエリザベスラインという新しい名前を公表し、関係
者を激励しました。2017年6月にはエリザベスラインに使用される予定の新し
い車両をロンドン市内の一部区間で運用開始し、更に2018年5月には英国最大
の空港であるヒースロー空港とロンドン市内間の路線をオープンしました。全
路線の開通予定は2019年12月としており、約20年越しのプロジェクトが完成し
ようとしています。

使用される車両には最新鋭の技術が採用されており、4G回線と同程度のWifi、
大きな窓、車いす用スペース、更にはエアコンも完備されています。実はロン
ドンのほとんどの地下鉄には構造上設置が不可能なためエアコンが付いておら
ず、夏の地下鉄は非常に暑いです。この新型車両は現在走行する地下鉄車両の
およそ2倍の全長200メートルの列車を採用しているにもかかわらず、最大30%
の省エネとなっており、環境への配慮もされています。

2017年から2018年にかけてチューブ(TfL管轄の地下鉄)の利用回数が4,400万
回減少し、想定よりも収入が8,900万ポンド下回りました。TfLはエリザベスラ
インの開通により年間2億ポンド以上の収益増、また、過剰に混雑しているセ
ントラルラインの混雑緩和を期待しています。

(※1)ロンドン交通局

ロンドン事務所 所長補佐 吉嶋

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