国際交流
2012年度実施事業 ニーダーザクセン州
2012年度日独交流セミナー 「徳島県とニーダーザクセン州におけるエネルギー転換への取組みについて」
日時:平成24年9月5日(水) 14:30~17:00
場所:ニーダーザクセン州 ハノーファー大学 無機化学講堂
参加者:総計71名
【在独日系機関】:12名
- 在ハンブルク総領事館
- JETROベルリン事務所
- 福岡県フランクフルト事務所
- 横浜市フランクフルト事務所
- 滋賀県ビジネスサポートエージェント
- 独国三菱商事㈱
- リコードイツ㈱
- メッツラー・アセット・マネジメント㈱
- JTBフランクフルト
- 環境関係ジャーナリスト
【日独関係機関】:8名
- ベルリン日独センター
- リューネブルグ独日協会
- (社)独日友好協会ハノーバー広島友好会
- ハノーファー独日協会
【ドイツ法人参加者】:15名
- ハノーバー=ヒルデスハイム商工会議所
- ドイツメッセ㈱
- ECOS Consult
- enercity Contracting GmbH
- Dialight BTI A/S
- Hannoverimpuls GmbH
- SOLON Energy GmbH
- nstitut für Meteorologie und Klimatologie der Leibniz Universität Hannover
- VENSYS Elektrotechnik GmbH
- Frerk Aggregatebau GmbH
- Deutsche Gesellschaft für Internationale Zusammenarbeit (GIZ) GmbH
- Leibniz Universität Hannover Kompetenzzentrum Versicherungswissenschaften GmbH
- Windwarth Energic Gmb
- HALFASOLAR GmbH
- Leibniz Universität Hannover International Office
- Dft Hannover
【徳島県関係参加者】:20名
- 徳島県副知事
- 徳島県議会議長
- 徳島大学長
- 徳島大学医学部長補佐
- 徳島大学医学部教授
- 徳島県体育協会専務理事
- 徳島県議会国際交流議員連盟会長
- 徳島県議会スポーツ振興議員連盟会長
- 日亜化学ヨーロッパ㈱社長
- 若手農業生産者、観光国際局長
- 工業技術支援部長
- 秘書課
- 国際戦略課
- ブランド戦略総局とくしまブランド課
- 徳島新聞社記者
【ニーダーザクセン州政府関係参加者】:12名
- ハノーファー大学長
- ニーダーザクセン州エネルギー気候保全部長
- 投資促進局長
- エネルコン社
- 首相府儀典
- 国際協力課
- 学問・文化省
- 環境とエネルギー気候保全省
- ハノーファー大学
- Niedersachsen Global GmbH
【CLAIR LONDON】:4名
- 羽生所長
- 桒田所長補佐
- 山口所長補佐
- キルヒナー主任調査員
セミナーでの主な発言内容等
【ハノーファー大学長】
・戦後の復興を遂げ学術教育及び商工業の栄えるハノーファーへ、徳島県訪問団をはじめとするセミナー参加者が来訪してくれたことへの謝辞。
・ドイツも日本も同じ気候変動・エネルギー問題に直面していることから、今回のテーマはタイムリーで興味深いものである。
【在ハンブルク日本国総領事】
・戦時中に育まれた徳島県とニーダーザクセン州の両都市の友好関係が、このように続き発展していること、また、今回のような対話に立ち会えたことが非常に喜ばしく、このような機会を設けていただいたクレアに感謝している。
【徳島県副知事】
・徳島県とニーダーザクセン州は2007年に友好提携を結び、幅広い交流を重ねてきている。今回、日本国政府より今後発生が予想される巨大地震南海地震の被害想定が急遽公表になり、知事がその精査と対策の検討に当たるため渡独できなくなった結果、副知事代理で渡独となった。
・徳島県における自然エネルギー導入の状況や、LED、リチウムイオン電池など、自然エネルギーの時代を先取りした分野での県の成長戦略について講演。
・日本国政府は、東日本大震災を機に日本再生戦略を策定、その3つの重点分野の一つである「グリーン(エネルギー・環境)」において大きな役割を果たす部素材の世界最大級の生産拠点が県内に立地。グリーン部素材「LED」の「日亜化学工業」、 蓄電池「リチウムイオン電池」の「パナソニックグループ・エナジー社・徳島工場」が立地している。
・徳島県内のLED関連企業による製品を7種類8点、徳島から持参し会場に展示した。
【ニーダーザクセン州環境とエネルギー気候保全部長】
・昨年の日本の震災を機に、州においても脱原発の機運はさらに高まった。
・2020年までに、総エネルギー消費量の25%を再生可能エネルギーで賄うこととしており、また州において、現在既に再生可能エネルギーの使用量は、全エネルギーの1/3を占めている。州は再生可能エネルギー分野におけるリーダーであると自負している。
・中でも州の風力発電は再生可能エネルギーの主要部を占めている。
・太陽光発電は再生可能エネルギーに係る補助金の1/2を占めているが、電力総量の3%くらいしか出せていないのが問題である。
【日亜化学ヨーロッパ株式会社社長】
・徳島県発祥の企業日亜として、環境・新エネルギー関連産業への貢献をどのように考え、果たして行くかについて講演。
・1966年に蛍光灯の生産販売等開始し、日本No1の蛍光体メーカーになる。1993年世界初青色LEDの開発に成功、1995年に電池材料の製造販売を開始、リチウムイオン電池用正極材にて世界No1となる。
・世界シェア推定、蛍光体:30%、LED:22%、リチウムイオン電池:20%。
・海外拠点は世界22拠点で、うち欧州は3拠点(フランクフルト、ニュルンベルグ、アムステルダム)。
・地球上の人工光の90%が放電灯、10%が電球であり、これを150lm/Wの白色LEDに代替すると消費電力は1/10以下に減少(年間9,400億KWhの省エネ効果で、これは世界の原子炉162基分の発電に相当)。
【JETROベルリン事務所長】
・日本の中小企業などの国際ビジネス展開の支援、外国企業の日本への投資の拡大、外国とのモノ・サービスを含めた貿易取引拡大を中心としてJETRO事業を紹介。
・東日本大震災によって引き起こされた原子力災害により、日本のエネル ギー政策は大きく転換し、電源政策の主軸であった原子力は見直さざるを得なくなった。
・電源に占める石油、天然ガスの火力発電や風力、太陽光などの再生可能エネルギーの利用が高まっている。
・日本への投資拡大では、昨年日本政府は「アジア拠点化・対日投資促進プログラム」を策定、外国企業を日本へ誘致するための経済的支援等があるほか、JETROではスタートアップ段階で利用できるインキュベーター施設の設置等も行っている。
【ニーダーザクセン州イノベーションセンター投資促進局長】
・日独交流から、お互い再生可能エネルギーにおいて何らかの新しい道筋を立てられたらと期待している。
・イノベーションセンターは、特に誘致に重点を置いている。
・州では風力に関するマスタープランを策定しており、陸上に加え洋上での基盤作りを積極的に行い、北海において既に1,700機の風力発電所の認可が下りている。
・2012年4月に、州は60のプロジェクトを始動し、200のパートナー企業と協力して電気自動車のショールームという形で計画を展開している。
・ショールームには、約120の企業、30の研究所、州及び50の地方自治体が参加しており、また、1億3千万ユーロのファンドのうち8千万がドイツ連邦政府からの拠出となっている。このようにドイツの電気自動車普及促進には州・地方自治体・国が協力して推進している。
【エネルコン社東アジア・バルト諸国・オセアニア諸国担当】
・1991年より、将来性の高いギアレスのもののみ製造している。ギアレスであることから摩耗が少なく、サービスコストが低く済むのが利点。
・パーツの約80%を自社で製造している。
・風力原動機におけるドイツでの市場シェア率は、ドイツ国内約60%、世界約7%となっている。
・パートナーコンセプトを重視して作動稼働率95%を保障(15年間保証)しており、故障等で稼働できない場合は、会社がその生じた発電量コストを負担することとしている。
・日本では水戸にオフィスを構えており、日立エンジニアリングと協力している。日本でのシェアは約12%。ベアリング等日本の製品を多く使っている。
【当事務所長】
・地域の特性に応じた代替エネルギーを選択し、住民やコミュニティの協力も得て推進していくという点で地方自治体の果たすべき役割も大きな分野。
・日独双方の関係者が集い、自治体が取り組むべき課題を共有するとともに、経済交流の可能性まで含めて取り上げることができた。
・東日本大震災に対するドイツの皆様からの多くの支援に対する謝辞。
その他
・セミナー後のレセプションで、徳島県提供の梨とすだちジュースを提供。梨については欧州の梨とは異なる食感と甘みが、すだちジュースは爽やかな風味が大変好評であった。
・徳島県のLED展示製品について、購入価格や、耐久時間等についてドイツ側企業より質問があった。
【当事務所振り返り】
・初のドイツでのセミナー開催であったため足場のない状態でのスタートであったが、これを機会に在独日系機関や行政関係組織、地方自治体関係団体等との関係構築ができた。
・友好交流提携の周年事業に合わせての実施で、両地域の関係強化に加え、経済交流の可能性まで議論することができた。
・テーマは、日本のエネルギー政策事情からも時宜を得ており、引き続き取組み情報等を的確に収集し、他の日系機関との連携も強化して総合的に連携し取り組んでいくべき分野であると思われる。