活動記録
2012年11月20日
震災復興支援イベント「TSUNAMI, 611 days later」に参加しました。
日時:2012年11月11日(日)14:00-16:00
場所:ロンドン大学 SOAS(東洋アフリカ学院)Brunei Gallery Lecture Theatre
主催:Tohoku Earthquake Relief Project London (TERP London) 【http://terp-london.co.uk】, Sakura Front 【http://sakurafront.org.uk】
共催:ロンドン大学SOAS Japan Research Centre (JRC) 【http://www.soas.ac.uk/jrc】
東日本大震災発生から611日目にあたるこの日、震災で何が起こったか、その後どのような復興の取り組みが行われたか、震災の過去・現在・未来を見つめる震災復興支援イベント「TSUNAMI, 611 days later」がロンドン大学SOAS(東洋アフリカ学院)のキャンパスで開催されました。
イベントが開催された11月11日は、英国にとって特別な日です。第一次世界大戦の戦闘が終結した日で、多くの市民が赤いポピーの花を身に着け、戦没者への思いを新たにする日です。同日に開催されたこのイベントでは、「サクラのブローチ」を参加者が身に着けました。英国のポピーをヒントに、東日本大震災を後世まで「忘れない」というメッセージを込めて、ロンドン在住の日本人がデザインしたものです。
本イベントは、ロンドン在住の英国人及び日本人に東日本大震災にかかる支援への謝意の表明をし、その被害の状況、復興の現状を伝えるもので、後援団体として当事務所もイベントの企画・準備の支援に関わり、在英国日本国大使館をはじめとする日系関係諸機関やJETAA(JET Alumni Association, JETプログラムのOB・OGによる団体)にも広報等に御協力をいただきました。その結果、会場は290人の定員を上回る参加者で満杯となり、主催団体によればその半数以上は英国人でした。
イベントは、アカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされた英国人監督ルーシー・ウォーカー氏による映画「津波そして桜 The Tsunami and the Cherry Blossom」の上映で幕を開けます。この映画では、震災直後の津波の映像と被災地が復興へと移りゆくさまが桜の花をキーワードとして描かれ、当時の被害のすさまじさをあらためて感じるとともに、被災から立ち直ろうとする人の姿に心を動かされました。参加者の方々も、言葉を失いながらも食い入るようにスクリーンを見つめている様子が印象的でした。
次に、イベントに招かれた村井嘉浩宮城県知事から、被災地の被害の状況と復興の現状について講演が行われました。
冒頭、英国をはじめとする世界各国からの多大な手厚い支援に対し感謝の意を表されるとともに、復興こそが世界への恩返しであるとの決意を力強く示されました。
日本観測史上最大となるマグニチュード9.0の地震は、宮城県沿岸部で20mを超える津波を引き起こしました。村井知事からは、津波や震災直後の写真とともに、宮城県での犠牲者数が日本全体の犠牲者数のおよそ60%にも上ることや、宮城県内で発生した震災がれきが1,200万トンにもなり、宮城県の廃棄物量の23年分に相当することなどが紹介されました。震災がれきは2014年3月までにすべて撤去すべく作業を進めているとのことですが、想像を絶する災害であったことがあらためて思い起こされます。
宮城県では「宮城県震災復興計画」を策定し、今後10年間での復興を計画しています。これは公共施設・防災施設の整備・配置などを抜本的に「再構築」することにより、最適な基盤づくりを目指すもので、被災地の「復旧」にとどまるものではないということ、10年後の世界情勢を見据え、さらなる発展への取り組みが重要であるということを村井知事は力強く述べられました。
最後に、村井知事は宮城県の四季折々の姿を紹介し、日本への観光の際には宮城県を訪れ、復興に取り組み元気で頑張っている宮城県の姿をぜひ見てほしい、そのことこそが復興への支援となると会場に訴え、講演を終わりました。
その後行われたパネルディスカッションでは、英国人学生ボランティアとボランティアを受け入れ復興に取り組んでこられた酒造会社社長を交え、被災地での活動の報告や今後のボランティア支援について議論が交わされました。
物的な支援はもちろんのこと、ボランティアとの交流など心的な部分での支援、心のケアがなによりも重要となります。また、本当に必要な支援は何かという問いに対して「必要なものは人それぞれ違う。そして毎日変わっていく」との答えが印象的でした。
イベントの最後に、村井知事が「被災者は自分たちのことが忘れ去られてしまうことを心配している。忘れないで、できる範囲で結構なので支援を続けてほしい」と会場に語りかけました。「サクラのブローチ」に込められた思いを忘れず、今後英国からどのような支援ができるかを考える機会となりました。
(ALL Images © Saera Jin )
2012年01月24日
Public Sector in UK
2011年10月7日、バーミンガム大学地方自治研究所のトニー・ボバード教授を講師としてお招きし、「Public Sector in UK(英国の公共部門)」をテーマとした研修を行いました。
研修では、英国の国家の成り立ち、国会の機能、中央政府の政策の変遷(サツチャー政権から現在の連立政権まで)、地域議会、地方自治体の仕組み、地方自治体の行政改革、地方分権の動向について、英国と日本の地方自治制度の違いを理解しながら、学びました。今回の研修内容を今後の調査・研究に役立てていきたいと思います。
2011年09月30日
JAPAN祭り2011
自治体国際化協会ロンドン事務所では、9月18日(日)にテムズ河畔のカウンティー・ホール(旧ロンドン市庁舎)周辺で開催された「JAPAN祭り2011」に、昨年に引き続き出展し、今回は、東日本大震災で大きな被害を被った岩手県、宮城県、福島県及び仙台市の復興情報の発信に努めました。
1 祭りの概要
3回目を迎えるJAPAN祭りは、日本文化を紹介する催しとしては欧州最大といわれており、今年の会場は、ビッグ・ベンで有名な英国の国会議事堂からウェストミンスター橋を渡り、ミレニアム記念事業として設置された大観覧車「ロンドン・アイ」に隣接する観光名所で行われました。
今回から日本クラブ、英国日本人会、ジャパン・ソサイエティ、英国日本商工会議所が共同で法人を立ち上げ、準備段階からしっかりした広報なども行ったことから、主催者発表では、昨年の5万人を大きく上回る7万人の来場者があったとのことです。天候にも恵まれ、英国人を始め海外からの観光客が多く、在英の日系高等学校の生徒さんたちや日本人の方々も見かけました。特設会場では、日本舞踊や華道、剣道や合気道など日本の文化が紹介され、日本食や日本酒、和菓子の販売を始め、JET帰国者の同窓会、県人会や日本語補習校の保護者グループなど100を超える出展があり、大変賑やかで日本国内で開催されている祭りのようでした。
2 岩手県、宮城県、福島県及び仙台市の情報発信
当事務所では、被災地3県1市の知事と市長からの直筆サイン入りの共通メッセージを日本語と英語で作成して来場者に説明しながら配布しました。また、3県1市それぞれについて、ポスターやパンフレット、PRグッズを使って世界文化遺産に登録された平泉や戦国の武将伊達正宗、鶴ヶ城、夏の夜を飾る七夕祭りなどを紹介し、観光客の誘客促進に努めました。
今回の出展に際しては、来場者の思いを被災地の方々に届けるために、Tシャツを用意して来場者にサポート・メッセージを書いていただくことにしました。多くの来場者から励ましや温かい支援のメッセージを頂き、用意したLサイズのTシャツの前後が、あっという間に横文字で埋まり、最後は肩の部分にまで書いていただきました。
開会式終了後に当事務所のブースにハント英国文化・オリンピック・メディア・スポーツ大臣が訪問された折には、田中所長が今回の出展の趣旨を中心に説明しました。文化等を所管する大臣に直接、被災地の状況をお話しする機会が持てたことは、当事務所としても大きな成果でした。
3 来年度に向けて
当事務所では、来年度は展示規模を拡大してジャパン祭りに出展する予定です。日本各地の観光魅力を紹介することで、地道に日本ファンを増やし、訪日観光客の増加や交流のきっかけづくりを進めていきたいと考えています。