活動記録
2012年07月25日
2012年度出発前オリエンテーションに参加しました。
2012年7月12~13日にブルネル大学で開催された、出発前前オリエンテーションに参加しました。
その概要について報告します。
今年度で第26回目となるJETプログラムの新規参加者のうち、英国での厳しい審査をパスした142名が、それぞれ国際交流員(CIR: Coordinator for International Relationship)や外国語指導助手(ALT: Assistant Language Teacher)として日本に赴任します。
CIRは、県庁や市役所などの行政機関に籍を置き各地方自治体の国際化(外国語講座や姉妹都市交流の企画・実施、外国語の観光パンフレット作成、外国人住民・観光客の支援等)を進めていきます。
ALTは、様々な学校に赴任し生徒達にネィティブの英語を助手として指導していきます。
また、彼らは地域に生活していくことで、地域住民の人達との交流も行っていきます。
今年度、英国からは3名のCIRと139名のALTが日本に向けて出発します。彼らは日本中の大きな街から山間部や離島まで様々な地域に赴任しますが、まだ日本に行ったことがない人も少なくありません。
そこで、日本で働くための心構えや生活の仕方、日本語などを事前に習得することで、着任直後からプロフェッショナルとして働けるように、7月12・13日の両日、在英国日本国大使館主催で研修会が開催されました。
当事務所からは、JETプログラムの概要や彼らが日本に赴任してからのサポート体制、研修体制について説明を行いました。
この他、自治体職員として働くことの心構えや、必要最低限の日本語、またALT達には学校で働く際の注意事項などが伝えられます。授業に使う素材はどのように用意するか、時間厳守は日本ではあたりまえのことなどのベーシックなことから、小さな生徒たちから「カンチョウ」といういたずらをされるかもしれないというミニ知識まで、実に様々な情報が伝えられます。また、日本語研修においては上級者に対しては敬語の正しい使い方まで講義されています。
彼らは7月末から8月にかけて日本に向けて出発します。彼らが日本で大いに活躍することと、地域の皆様方が積極的に彼らと交流していただくことを心から期待しています。
2012年07月19日
国際交流基金ロンドン日本文化センター主催「Japanese Plus」講座に参加しました。
2012年6月27,28日、国際交流基金ロンドン日本文化センターで行われた上級者向け日本語講座(日本人以外が参加者)に、当事務所から特別ゲストとして3名が参加しました。
当事務所職員からは、それぞれの地元の方言を駆使しながら、出身地の紹介を行いました。
当日の様子について、国際交流基金ロンドン日本文化センターのホームページに紹介されています。
【国際交流基金ロンドン文化センターホームページに移動(英語表記)】
2012年07月05日
「インターカルチュラル・シティ・プログラム」視察に参加しました。
2012年5月、ロンドン市・ルイシャム区において、欧州評議会及び欧州委員会が推進している「インターカルチュラル・シティ・プログラム」視察プログラムに参加しました。
その概要について報告します。
2012年07月03日
スピーカーシリーズ「英国における日本食品事情及び関連するEUの輸入規制」
日時:2012年6月20日(水)14:00~16:00
講師:ジェトロ・ロンドン事務所 山田貴彦 氏
場所:クレアロンドン事務所 会議室
各地方自治体にとって、海外に於ける経済活動の重要性が高まる中、クレアロンドン事務所では、講師にジェトロ・ロンドン事務所山田貴彦氏をお迎えして、「英国における日本食品事情及び関連するEUの輸入規制」と題し、英国やEU域内における日本食品の可能性やEU圏内における輸入規制のお話をいただきました。
山田様によるご講演のあと、ご参加いただいた在英国日本国大使館やその他日系機関の参加者のみなさまと意見交換を行いました。その概要について報告します。
【英国関係】
・原発事故以降、英国の対日食品輸入量・額の対前年度比率は減少傾向にあった。
・しかし、その後回復し2011年8月以降は前年並みで推移してきている。
・欧州における日本からの輸入は、フランス・オランダ・ドイツ・英国が主要国であるが、この主要国からEU域内各国に流通しており、輸入量=消費量ではない点に留意が必要。
・英国消費者動向のトレンドは、①消費支出総額全体は大きな変化はないが、②外出を控え、③外食時のアルコール摂取が顕著に減ってきている。経済情勢が良くない中(成長率は低いがインフレ傾向)、ぜいたくを控えている。
・2012年の英国における食のトレンドは、「健康志向」「ほんの少しのぜいたく品」「簡便性」がキーワード。
・2012年に実施された「好きな外国料理」調査では、アジアの主要料理(日本、インド、中国、タイ、韓国)の中で、インド料理(38%)、中華料理(39%)、タイ料理(13%)についで日本料理(8%)がランクされている。5年前では2%であったことから、日本料理へ人気は大幅に伸びてきている。なお、タイ料理の人気が高いのは、2005~2006年にタイ政府が民間企業とともに戦略的に浸透を図った結果であり、英国内のパブではタイカレーが気軽に食べられるほどである。
・日本料理に対するイメージは、「健康的」が一位であり、「美味しい」「バランスがいい」がこれに続いている。
・日本食に対する英国内の主な需要者層は、①ロンドン市内(ロンドン市内と地方では浸透度に差がある。)、②比較的所得の高い層である。ただし、これら以外の層にも日本食に対する裾野が広がっている模様。寿司に関しては庶民派スーパーでも販売されており、その売上額もテスコでは寿司がサンドイッチを上回るなど他の日本食と比べて突出して浸透。
・寿司以外の日本食としては、日本人にとっての大衆食(ラーメン、焼きそば、カレー、うどん等)の人気が高まってきているのも特徴。
・英国は、使用言語が英語であること、多様な価値観に対する寛容性があること、旧植民地を世界に持っていたことによる情報発信能力の強さがある。
・また、英国をはじめとする欧州におけるトレンドが日本を含むアジア等に対して大きな影響力を持つことを踏まえると、あらゆる方向性に展開できる可能性がある。
【EU規制関係】
・英国を含むEU圏内は、基本的にEUが設定した枠組みの中で輸入を行っている(実際は国により現場により、微妙に運用が違っている面もあるのが実情。)。
・食肉・動物由来製品の輸出については、EUへの輸出を許可した「EU域外国・地域リスト」(=第3国リスト)に日本が掲載されていないため日本からの輸出は不可能。
・水産物・水産物由来製品は、EUにより認定された施設で生産・加工された輸出物については、衛生証明書を付した上で輸出可能。
・遺伝子組み換え食品については、日本より厳しい基準を持っている。
・生鮮品に関しては輸送に時間がかかることや、放射性物質のチェックの関係もあって通関に日数を要する場合もあるため、送ってきても税関を出るまでに鮮度が低下してしまうという問題もあり、条件は厳しい。成功する可能性がより高いのはやはり加工品ということになる。
(※ 規制に関しては、2012年6月20日現在の情報です。常に最新の情報をEUやジェトロなどのHP、最寄りのジェトロ国内事務所等で確認してください。)
【食品見本市関係】
・欧州において各種の食品見本市が実施されているが、JETROがジャパンブースを設置する予定のものは以下のものとなる。
○IFE(2013/3/17~20、奇数年の隔年開催)
開催地 :イギリス(ロンドン)
展示数 :1,200
取扱食品:食品全般
備考 :イギリスで最大の国際食品見本市
○SIAL(2012/10/21~25、偶数年の隔年開催)
開催地 :フランス(パリ)
展示数 :5,833
取扱食品:飲食料品全般
備考 :フランスで最大の国際際食品見本市
○ANUGA(2013/10/5~9、奇数年の隔年開催)
開催地 :ドイツ(ケルン)
展示数 :6,596
取扱食品 :飲食料全般
備考 :ドイツ最大の国際食品見本市、出展者にとりビギナー向けの見本市
※ 各見本市では、ブース出品料の助成が受けられる場合がある。
JETROでは現在、SIALの出品者を募集中(~2012/7/13まで)。詳細は下記アドレスをご確認ください。
(http://www.jetro.go.jp/events/tradefair/20120622300-event)
今回の講演において、講演者ご本人はもとより、他機関から参加頂いた皆さんからも、英国内で商品を売り出すために欠かせないものは、輸出する(日本)側の意欲であるとの指摘をいただきました。
販路開拓は当然のこと、売る際には商品の食べ方や使用方法について現地の人たちに効果的に説明し、また表示ラベルも英語表示にするなど細やかな対応が必要になってくる。その時に、どこまで対応できるのかというのはひとえに売り出す側の熱意と意欲にかかっているとの指摘は、大変印象的でした。
【参考HP】
・英国ロンドンを中心とした日本食品マーケティング調査(2012年3月)
http://www.jetro.go.jp/world/europe/uk/reports/07000931
・欧州の日本食品市場、震災から1年後の現状(2012年4月)
http://www.jetro.go.jp/world/europe/uk/reports/07000911