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2010年09月09日


スピーカーシリーズ「公共調達における競争的調達と協調的調達のバランス」

1 テーマ:「公共調達における競争的調達と協調的調達のバランス」
2 日時:2010年8月25日(水)15:30~17:00
3 講師:明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科 教授 北大路 信郷様
概要は下記のとおりです。


<協調的調達について>
・静岡県の行政専門アドバイザー、総務省契約監視会委員などを務めている。イギリスはモニタリングが厳しく、コストもかかり生産性が低下しているが、日本もこれに近づきつつあるといえる。どのような方法でコストを下げ、行政の質を上げることができるか解明することが、現在の研究テーマである。
・協調的調達を行う良い例として、同じサプライチェーンから長期に渡り安定的供給を受けているトヨタ自動車が挙げられる。
・協調的調達においては評価が重要であり、品質経営で判断基準を設定する必要がある。まず社員に品質経営の技術を習得させた後、同様の品質経営を調達先に求めることとなるため、内部でどれだけ徹底されているかが重要なポイントとなる。

<静岡県における改善の取組>
・日本の経営管理はほぼ民間企業での歴史であり、行政は最近取組み始めた。「改善・現場・方針管理」という言葉は英語圏でも使用されているが、中でも「改善」が最も重要である。またこのセットの作成に10年を要する。
・静岡県では、1993年に当時の石川知事が、支出削減ではなく生産性の向上に焦点を当てた取組を開始した。「ひとり1改革運動」は1998年から取り組み始め、2009年は年間15,722件と10年間で取組件数が3倍に増加した。これは毎日66件の改善に向けた取組が県庁内で行われており、職員一人当たり年間約2件の取組を行ったことに相当する。各自の端末からレポートすることが可能で、全職員が閲覧することができる。現在では、多くの職員にとって日常業務の一部となっていると言える。
・職員の改革意識の高揚と改革成果の共有化を図るため、特に優秀な事例について、毎年3月に事例発表会及び表彰式が行われている。

<改善を成功させるポイント>
・改善は実践することが重要であり、提案に終わっては意味がない。良い改善例があれば、真似をすることが重要である。ティームワークが大切であり、一人の手柄にしないこと。メッセージを送り続けること、改善を楽しむことが重要である。
・目的は生産性の向上であり、支出削減ではない。改善を続けることで、結果として経費が削減される。
・管理方法は現場への権限移譲である。棚卸表に基づいたPDCAをツールとして用い、フェアな数値目標の設定が困難であるため業績評価は行わない。
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